能『船弁慶』を骨まで楽しむ(2)

昨日、10月19日は、能『船弁慶』を骨まで楽しむワークショップの第2回目でした。今回のテーマは、『船弁慶』のテキストを古典作品として読むという「古典の授業」です。

50名の方にご参加いただきました。でも、いつも通り、まったりと始まります。

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●能の構造:序破急

最初に世阿弥の『能作書』から、能の構造のお話。

能は、いくつかのブロックの組み合わせで作られています。このブロックは取り外しが割合簡単で、たとえば薪能が始まる瞬間に急に空模様が怪しくなったら、「じゃあ、あそこカットね」で、その部分だけゴソッと抜いて、あとは普通に・・ということも簡単です。すでに演技が始まっている舞台上で、そういう指示が来ても大丈夫なのです。

で、そんな構造は、すでに世阿弥のころから意識されていて、世阿弥はそれを「序破急」というアイディアで示しています。序破急のアイディア自体は雅楽から借りたものですが、能ではそれをちょっと違った形で使っています。

世阿弥が書いた、能を作るマニュアル『能作書』には、そこらへんのことがかなり具体的に書かれています・・なんて、話をしました。ここら辺の詳しいところは、今度時間があるときにまとめますね。

昨日のテキストの「構造」のページです(PDF)。

この序破急は、能一曲の構造を考える上に重要なだけでなく、たとえば一日の番組に構成を考える上でも大切ですし、あるいは一歩足を出すときとか、ここからあそこに行くときとか、声を出すときとか、すべてのことに「序破急」は意識されます。

また、このアイディアは能に限らず、たとえば講演や授業などでも役に立つのです・・なんて話もしました。これも今度・・。ああ、宿題だけがたまる。

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●ヒアリング

次は前回に引き続き、ヒアリングの練習です。今回もまずは狂言師の奥津健太郎さんに、狂言のセリフを一節謡っていただきました。

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いま何といったか、それを小グループに分かれて、わいわいと話し合います。

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だんだん聴き取るのが楽になってきました。

●さあ、お勉強!

さて、次はテキストを使って『船弁慶』のお勉強です。

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今回は48ページのテキストを作りました。みなさんにお配りしたのはモノクロでしたが、元原稿はカラー版なのです。一部をご覧いただきますね。

こんなテキストです(最初の4ページのみ)。

本文の右側には「ちょっと難しいかな」と思われる語の釈、左側には修辞法、上欄には文学的な説明、下の欄には音楽的な説明が入っています。このテキスト、イラストから本文からDTPまで、すべてひとりでやったのですごく疲れた〜。でも、その肉体労働がいいのかもね。

カラーの方がモノクロよりも、特に右欄が見やすいのですが、カラーコピーにすると、すごい金額になってしまうので残念ながら・・・です。このテキストをご覧になりながら、一緒に朗読したり、あるいは僕たちの朗読を聞いたりするだけで、かなりの意味がわかっちゃいます。

ちなみに次回のワークショップでは、このテキストの配布はありません。昨日、いらっしゃれた方のみということで悪しからず。

さて、今回は古典の授業なので、テキストを見ながら一緒に音読したり、小グループごとに意味を考えてもらったり、僕が謡、みなさんが朗読で掛け合いをしたり、修辞法のお話をしたり・・・。

いろんなことをしました。

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●最後はみんなで謡う!

みなさんで『船弁慶』の最後の部分を謡って、昨日のワークショップはお開きとなりました。

この部分です↓

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膝をぽんぽん打っていただきながら謡いました。

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さ、次は11月11日です。

お待ちしてます。

能『船弁慶』を骨まで楽しむ 第1回

昨日は、12月4日(土)の「天籟(てんらい)、能の会」のための第一回ワークショップでした。

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このワークショップは、せっかく能をご覧いただくんだから、なんとなく雰囲気で観るんじゃなくて、「猫またぎ」ってくらいに<骨まで楽しんでいただこう>という企画のワークショップです。あ、「猫またぎ」っていうのは、魚好きの猫もまたいで通っちゃうくらいに、魚を骨までしゃぶって食べちゃうということです。そのくらい能を堪能していただきたい。

で、12月4日(土)のチケットをご購入いただいた方は無料でご参加いただけますし、「その日は用事があって」という方も1回、1,000円でご参加いただけます。

<以下の写真では、参加者の方のお顔がわからないように画像は処理をしたり、小さくしたりしています>

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第一回目の昨日は、能と狂言についての基礎知識、そして当日の演目である能『船弁慶(ふなべんけい)』と狂言『井杭(いぐい)』のざっくりした解説、そして狂言と能の謡のヒアリングをしました。

詳しい内容は、昨日のワークショップのテープ起こしをお願いしています(NPO法人『天籟(てんらい)』のボランティアの方にです。ありがとうございます)ので、それができたらまた書くことにして、今回は昨日の流れを書いておきますね。

能・狂言の基礎知識は「能面」の話からです。

ワキ方である安田は能面を使うことはないのですが、昨日、いっしょに講師をした狂言師の奥津健太郎さんは面も打たれるので、奥津さんが打った面を中心にお見せしながら、さまざまなお話をしました。

まずはいろいろな女面。万媚(まんび)、増(ぞう)、小面(こおもて)を比べながらのお話です。別々に見ると、その違いがなかなかわからないのですが、並べて、そして近くでご覧いただくことによって、「本当に違う」と実感いただけました。

かなり近くで、細かなところまで見ていただきました。

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狂言の女面として「乙(おと)」。これは制作途中のものをご覧いただきながら、能の女面との違いを見ていただきました。

般若も実は女面。目や歯や角の「金」の意味も説明。

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そのほか、いろいろな能面、狂言面をご覧いただいたのですが、なかなかマニアックな質問も飛び出し、それをまたマニアックに答えて、あっという間に30分以上が経ってしまいました。

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次はヒアリング。

最初に狂言のヒアリング。当日の演目である『井杭(いぐい)』のセリフでヒアリングの練習です。

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奥津さんが一節を謡い、いま何と言ったかを近くの方たちと話し合っていただきます。

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「狂言は簡単かなあ」と思っていたのですが、これがなかなか難しい。まあ、用語の難しさと、それから慣用句が聞きなれないからですが・・。

「こんにった(今日は)」とか「みょうずる(見ようずる)」なんかが聞き取れるようになると、かなり聞けるようになります。

それから今度は安田が謡って能のヒアリング。

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能には散文(セリフ)の部分と韻文の部分があるのですが、今回はセリフ。なんと狂言よりも、こちらの方が聞き取れた。「弁慶」とか「判官」とか、用語が耳慣れたものだったからですが・・・。

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と、ここまでで気付けば1時間10分。10分休憩をしました。

休憩の間、能面を置いておき、自由にご覧いただきました。

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「触らないでね」とお願して。

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後半は「能と狂言の登場人物と流派」、「能と狂言の関係」、「五番能と翁」、「秦河勝の怖い話」、「祝言の能と御霊鎮魂の能」などを実演も交えながらお話しましたが、これに関してはテープ起こしが終わってから、まとめますね。

次回は10/19(火)19:00〜。東江寺(広尾)さんにて。

『船弁慶を読む―古典の授業』として、みなさんといっしょに朗読したり、謡を謡ったりしながら『船弁慶』を文学作品として読み解いていきます。

また、能の構造についてもお話します。

参加ご希望の方はnoh@tenrai.or.jpまでお願いします。

また、12月4日の公演、およびこれからのワークショップに関しては以下をご覧ください。

http://www.tenrai.or.jp/noh.html

ミュンヘンの夜

先日のオーストリア公演の最後の夜。

ハル・イン・チロルでの舞台が22:10時に修了。で、準備ができたらすぐ出発という話だったのですが、来るはずのバスが来ず、そのまま23:30まで待機。やっと来たバスに揺られてミュンヘンへ。

オーストリア→ミュンヘンというと、ヒトラーのオーストリア侵攻を思い出す。あれはワルシャワだったけど。

ミュンヘンのホテル到着は02:10。

「今日は二人部屋です」という話と「04:40に起床!」との連絡を受け、部屋に行く。部屋はなんとダブル。

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男2人でダブルベッドはちょっとなあ。

これをアレンジしたのはアムステルダムのプロデューサー。ヨーロッパの人って同性同士でのダブルって平気なのかなあ。

同室の人とも、「若いときならいざ知らず、この年になって、この待遇はねえ」と悲しむ。僕の方が(ほんのちょっと)若いので、自己申告でクッションを床に敷いて寝ることにする。

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石の床は冷たい。氷の上に寝ているみたい。クッション一枚ではキツイ。でも、奥の細道の旅よりは格段にいいしね。

芭蕉の「蚤虱(のみしらみ)馬の尿(しと)する枕もと」などを思い出して横になるも、寒くて眠れず、04:00には諦める。

が、ベッドでゆっくり寝ていたら2時間ちょっとの仮眠はきつかったかも。元気な目覚めでバスに乗り込む。

そんなミュンヘンの夜でした。

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そうそう。Twitterにも書いたのですがブリティッシュ・エアーのロンドン→日本間のビデオプログラムで英独のサッカーの歴史があって、ボビー・チャールトンやベッケンバウアー、ゲルト・ミュラーなどの雄姿を見る。

ボビー・チャールトンってシュートがすごいってイメージがあったけど、ドリブルを含めてボールの扱いも異常にすごい。それとゲルト・ミュラーの突っ立ったまま腰をぐわん!と捻っての無理矢理シュート。信じられないパワー!

当時のサッカーって個人技がすごい。しかも泥臭い。いいなあ。

ジョージ・ベストも見たかったけど英独のワールドカップの映像が中心だったので、出ていませんでした。

当時のプレイをロルファーの目で見直してみると、すごく面白いかもと思った。

今度こそ、インスブルックよ こんにちは

帰国しました。3泊5日の超バタバタ海外旅行(前に1泊3日ってあったけど)。

さて、インスブルックだと思ったところが実はハル・イン・チロルという町だったということを書きましたが、そこからインスブルックまでは約10キロ。せっかくなのでちょっと行こう!という話になり、行ってきました。

そうそう。「インスブルックよ、こんにちは」というタイトルは「インスブルックよ、さようなら」という歌を踏まえています。インスブルックと聞いたとき、実はこの歌の題名だ、としか知りませんでした。インスブルックがオーストリアということすら知らなかった。

行ってみると大きな街でした。

以下、写真はクリックすると大きくなります。

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【大きな劇場】

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【王宮もあった】

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ケーブルカーが出ているということで山の上にもあがりました。1905m!

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【ケーブルカーで上がっている所】

山の上から下界を見下ろす(写真ではあまり雰囲気が出ませんが、かなり高いところから見下ろしている感じです)。

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眼下には「インスブルック」の名前の由来になったイン川も流れています。インスブルックとはイン川の橋という意味。

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では、山の景色をいくつか。さすがアルプスですね。

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この写真は宮廷教会。皇帝マキシミリアン祇い領酩世任后奮梓僂斑罅法

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中に入ると黒い銅像がたくさん。「黒い仲間たち」と呼ばれている銅像群です。いいなぁ。黒い仲間たち。

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近くの小学生たちが先生の話を聞いていた。ワイワイ騒ぐけれども先生の話術に引き込まれる(?)。

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人気のあるのは、この天狗みたいなクチバシのやつ。

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それとこれ。「これはお母さんのような髪型をしているけど、男ですよ」とかなんとか言っている。実はハプスブルグ家の始祖。股間にすごいのがあるけど、このことに関しては説明はしてなかったかなあ(聞き取れるほどの語学力がないので、本当のとところはわからない)。でも、子どもは絶対に気になるよなあ。

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インスブルック名物(だそうです)の金の屋根。

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・・と、そのズーム。

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インスブルックの不思議なところは道路を挟むと、以下の二つのように建物が全く違った様式になるところです。

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<この建物群が道路一本はさむと・・>

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むろん世界のマックも健在!

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遠くに山々を眺めながら、お茶をする。

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上の写真の左上のズーム。

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おまけ2つ。

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インスブルックは数時間しかいなかったけれども、今度はゆっくり行きたいなあ。

ハル・イン・チロルの街中散歩

引き続き、インスブルックだと思い込んでいたハル(HALL)・イン・チロルの街中散歩です(写真はクリックで大きくなります)。

教会がたくさんある。そのうちのひとつ。

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入る。ゴシックっぽい・・けど、ちょっと違う?

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不思議とセンターが外されている。よくあるのかな。こういうこと。

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写真には撮らなかったけれども、ここには頭蓋骨がたくさんあった。肋骨もある。

町の中の通りを示す看板。わかりやすい。

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カフェを示す看板。こちらは立体的。

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さすがチロル。遠くに雪の残る山をいただく。

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申し合わせ(リハーサル)後に外に出たら夕暮れになっていた。夕暮れの町。

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