先日の寺子屋でヨーロッパのカフェの本をいただいたということを書きました。その一冊が『ヨーロッパのカフェ文化』(大修館書店)。

最初に出てくるのがヴェネチアのカフェ・フローリアン。

ヴェネチアを訪れる多くの観光客が、一度は寄るという老舗カフェです。いわゆる観光名所としてのカフェなので、イマイチだと思ってしまいがちなのですが、カフェ・フローリアンの外の席でサンマルコ広場を眺めながら座っていると、自分が普段抱えている日常の些事がどうでもよくなります。

むろん、中もすばらしい。

そして、この本を読むと、カフェ・フローリアンの歴史や、さまざまなエピソードがわかって、さらにカフェ・フローリアンが好きになる。

結局、去年はヴェネチアには行けなかったから、来年は行きたいなあ。何かうまい具合に仕事が来ないかなあ、などと妄想をしてしまいます。

◆◆◆◆◆

何を隠そう、ヴェネチア好きです。

ヴェネチアは水上都市で、道が縦横に分かれています(って今書いている『奥の細道』みたい)。地図もあまり役には経たない。僕たちのような観光客は、どこかを目指そうなどと思わず、ただブラブラ歩いて、ぶち当たったところで何かを楽しむ、くらいなちょうどいい。

で、そんな道で、さらにはすぐ橋やら階段やらになるので車も自転車も走っていません。だからすごく静かです。

グラス・ハープやリュートのような小さい音の楽器のストリート・パフォーマーがいるなんてところはヴェネチアくらいじゃないかな。

ヴェネチアに行って何をするかというと、基本的には何もしません。ただ、ぼんやりします。ときどき美術館に行ったり、教会に行ったり、音楽を聴きに行ったりはするのですが、基本はぼんやりです。

それこそカフェ・フローリアンの椅子に座って、サンマルコ広場の鳩でも見ているのがいい。次回に行くときは、『ヨーロッパのカフェ文化』のこのページをコピーして持って行こうっと!

内田樹さんは定年になったら大学はやめる!と常々公言をされていますが、そういうのっていいなぁ。でも、僕の場合は60歳で能をやめたらヴェネチアにも行けなくなっちゃう。

う〜ん、ダブルバインド。

『ヨーロッパのカフェ文化』を持ってヨーロッパのカフェを廻りたいなあ。よ〜し、そんな仕事ができるように何かを企もう!