これは未詳倶楽部のレポートではありますが、先日も書いたようにそこで話した内容ではなく終わってから思ったことを書いています。

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昨日は「楽」という漢字が、ひょっとしたら【髑髏】と人を【幻惑】する<何か>とからなる漢字ではないか、という話をした。ちなみに「櫟」だという説も有力なのだが、話が複雑になるのでちょっと措いて・・・。

さて、「白」が髑髏だということを踏まえて、白に人偏がつくと「伯」、すなわちボスになる。これは覇者の「覇」と同じ意味だが、覇はもともとは「雨」カンムリに「革」という漢字で書かれていた。これは「雨にさらされた獣皮の意」だとするのは、これまた白川氏だ。

本を書くときなどはあまり白川説は引用しないが(うるさい人が多いので)、ここら辺はかなり面白い。

き『山海経』の大荒東経には「キ(漢字は図参照)」という幻獣が載っている。

その皮で鼓を作り、雷獣の骨で打てば、その音は五百里にも聞こえ、天下を威武することができるという。ちなみにこの「キ」、甲骨文ではかなり初期から登場し、殷の高祖でもあり、音楽神でもある。それが後世は幻獣とされる。

さて、『山海経』でも幻獣の皮だというし、白川さんも獣皮だと書くが、私はこれは人の皮ではないかと思っている。「キ」が殷の高祖でもあるということもあるし、また殷代の上帝祭祀の復元をしてみてもそう感じる。また、我が敬愛するパーカッショニストの土取利行さんから人間の皮や髑髏で作った太鼓の写真を見せてもらったたことがある。

『稲作儀礼と首狩り』(鳥越 憲三郎)という本もあるが、それだけでなくカニバリズムとの関連もありそうだ。ここら辺は何かの本に詳しく書きたいが、『中国古代の宗教と文化』(赤塚忠)によれば人身犠牲の儀礼である「将」礼の後、王は主祭者から主宰者へと変容するという。

能『翁』では、舞台上で太夫が翁の面をつけ変容が行なわれる。それに似る。

この「将」の礼のついて未詳倶楽部では、甲骨文を読んだ。

明日か明後日にそれを書いていこう。

今回は短いが・・・。

 安田