今日、池袋を歩いていたら街宣車が止まっていて、チベット暴動に対する中国政府の対応を批判する演説をしていました。で、その下では法輪功の人たちが、やはり同様の反対運動をしていてチラシ配りをしていました。

チベットには1987年以降、行ってません。

能の『翁』の冒頭の謡である「とうとうたらり、たらりら」チベット語説(河口慧海師)を確かめるためラサに行き、その年、土地の古老から、それに非常に似た歌が『ケサラ王伝説』という英雄叙事詩にあるという話を聞き、実際に歌ってもらいました。ここら辺の事情については、かつて書いた(『ワキから見る能世界』NHK出版)ので省略します。

で、もっと調べるために88年に行こうとしたら予定が立てられなくて(やはり一ヶ月以上はいたい!)、翌年の89年に行こうとした大暴動。それを外国人が煽ったということで、それ以来、外国人のチベット行きが非常に制限されるようになりました。

当時は知り合ったラサの人のうちに泊めてもらったり、お寺でも明け方まで話し込んだりできたのですが(多分、内緒で)、それ以来はラサの人と外国人が二人っきりで話しこむなんてことはおろか、ふつうに話をすることすら禁止。すべてがすでに決まったルートを歩かされるだけの(それがいかに自由に組み立てられるように見えてもね)旅行になってしまったそうなのです。

87年に知り合いになった日本人が、数年前にラサを再訪したのですが、彼からそういう話を聞いたので、もう行ってませんでした。

それが今回の大暴動の報道。現在は記者も含めて外国人も入れないとのこと。

どうなるんだろう。オリンピックも含めて・・・。

でも、これが街宣に使われたり、法輪功の何かに使われたりすると純粋に怒れなくなるなあ。

 安田