すごく久しぶりのブログです。
この数日、山のシューレ(那須)にいます。アートビオトープ主催の山の学校です。
8月1日は、子供向けのワークショップで「文字は息からできたっ!?」ー言葉の生まれるときというタイトル。
からだも手も水やジュースでぐちゃぐちゃになり、白いTシャツがカラフルに。元気に息を出したり、声を出したり、からだを動かしたり、すごくワイルドなワークショップでした。でも、ちゃんと集中するところは集中。
「息」と「文字」は子供を引き付ける力もすごい。
むろんメイン講師の高木久美さん(現代美術家)も、とってもすごいけど。
今回のワークショップのテーマは息と文字ですが、要素として「ネガティブハンド」と「ドリッピング」、「能管」そして「甲骨文字」という、ちょっと不思議な取り合わせです。
あまり耳慣れない「ネガティブハンド」とは4万年前〜1万年前(異説あり)の洞窟の中に残る手形です。
手形といっても、手に顔料をつけてペタッとつけたものではなく、ネガティブという言葉が示すように、手を洞窟の壁に置いて、口に含んだ顔料を吹き付けて作ったと創造されている、ちょっと不思議な手形なのです。
本物は、こんなのです。
数万年前のものには見えないでしょ?
なぜこんなことをしたのかについは、いろいろ面白いところで、しかもこれからも考えていきたいテーマなのですが、今回はそれについてはあまり触れずに、このネガティブハンドから「文字」に至る道のりが始まったのではないかということでワークショップを組み立てました。
そして、もしそうならば文字は「息」からできたんじゃないかということで、息を使って、そして文字の発生を感じてみようというワークショップでした。
11時〜16時30分という、ちょっと長い(しかし、実際やってみるとかなり短い)ワークショップでした。
現代美術家の高木久美さんがネガティブハンドを指導し、能管の槻宅聡さんが能の笛の唱歌で呼吸を指導し、そして僕が甲骨文字と全体の流れを受け持ちました。
●最初に練習
ネガティブハンドについてちょっと話をし、そのあと洞窟壁画の写真を見ながら、気付いたことをいろいろ話してもらいました。・・が、このときはあまり意見は出ず。
で、次に外に出て練習。最初は水を使って地面に。口がスプレーのようにならなければできないので、はじめのころはうまくいかなかったのですが何度もやっているうちにこんな風にできるようになりました。
●笛の唱歌(しょうが)で呼吸の練習
ネガティブハンドを上手に行うコツはなんといっても呼吸のコントロール。今回はそのためにふたつのことを用意しました。
最初は能の笛を覚えるときにうたう唱歌(しょうが)。これはただうたうだけでなく、お腹の底から強い息を出しながらうたいます。最初は小さい声で、弱い息しか出なかった子供も槻宅先生のうまいのせ方で、大きな声で。
しかも、これがネガティブハンドの出来上がりに関係するとなると、そりゃあでかい声になるわな。
あ、そうそう、ブログを書こうとは思っていなかったので、今回の参加者に写真を載せていいかどうかの許可を得ず、いまここにいる子(の保護者の方)から許可をいただいた分だけを載せますね。
で、唱歌パートは許可を得られた子で写っている写真がないので、犬が唱歌を一緒に歌っているところを・・・。
●さあ、布に練習
本当のネガティブハンドは顔料などらしいのですが、今回は紅茶、コーヒー、ジュースで行いました。まずは机の上に(不要になった)シーツを敷いて、そこで何度も練習。
そして、次に縦にビローンと張った布に練習をしました。
もう、ここら辺になるとみんな超ワイルドになりました。顔も手もからだもぐちゃぐちゃ。たぶん、わざとぐちゃぐちゃになっている。
でも、できあがった作品はなかなか!
●ドリッピング
呼吸の稽古、第二段はドリッピング。
これは画用紙の上に絵具をたらし、それをストローを使って作品にしていくというもの。唱歌が強い呼吸の稽古だとすると、こちらは呼吸のコントロールの稽古です。
いろいろなドリッピングができあがった。
●甲骨文字
次は甲骨文字と金文。
ネガティブハンドから甲骨に至る時代の話をして、さまざまな漢字当てクイズなどをしたあと、自分の名前を甲骨文字や金文で書いてみる。今回はネガティブハンドの流れもあって指文字で挑戦。
指全部にいろいろな色をつけて、カラフルに描いている子もいる。
こちらは全然そういうつもりはなかったし、そんなインストラクションもなかったのに、いつの間にかみんなアートにしちゃっている。怖るべき子供たち。
●さあ、清書
最後に清書です。
甲骨文字とドリッピングとネガティブハンドは、あとでまとめて製本(和綴)するので、清書のネガティブハンドです。和紙に息をブシッとします。
●あ、蝶が・・
清書も終わって、ふと見ると、つるした布のネガティブハンドに蝶がとまっていた。そうか、ジュースだもんね。
●最後にまた・・
最初に見せた写真を、最後にまたみんなで見ました。
今度はすごい。いろいろな意見やら疑問点やらたくさん出てきて、終わらせるのが大変。本当にすごい勢いで出てくるのです。
予定時間を15分も過ぎて、やっと終了。
ひとりの子が最後にとても暗くなり、ぼそっと「帰りたくない」とひとこと。
だよね。
この数日、山のシューレ(那須)にいます。アートビオトープ主催の山の学校です。
8月1日は、子供向けのワークショップで「文字は息からできたっ!?」ー言葉の生まれるときというタイトル。
からだも手も水やジュースでぐちゃぐちゃになり、白いTシャツがカラフルに。元気に息を出したり、声を出したり、からだを動かしたり、すごくワイルドなワークショップでした。でも、ちゃんと集中するところは集中。
「息」と「文字」は子供を引き付ける力もすごい。
むろんメイン講師の高木久美さん(現代美術家)も、とってもすごいけど。
今回のワークショップのテーマは息と文字ですが、要素として「ネガティブハンド」と「ドリッピング」、「能管」そして「甲骨文字」という、ちょっと不思議な取り合わせです。
あまり耳慣れない「ネガティブハンド」とは4万年前〜1万年前(異説あり)の洞窟の中に残る手形です。
手形といっても、手に顔料をつけてペタッとつけたものではなく、ネガティブという言葉が示すように、手を洞窟の壁に置いて、口に含んだ顔料を吹き付けて作ったと創造されている、ちょっと不思議な手形なのです。
本物は、こんなのです。
数万年前のものには見えないでしょ?
なぜこんなことをしたのかについは、いろいろ面白いところで、しかもこれからも考えていきたいテーマなのですが、今回はそれについてはあまり触れずに、このネガティブハンドから「文字」に至る道のりが始まったのではないかということでワークショップを組み立てました。
そして、もしそうならば文字は「息」からできたんじゃないかということで、息を使って、そして文字の発生を感じてみようというワークショップでした。
11時〜16時30分という、ちょっと長い(しかし、実際やってみるとかなり短い)ワークショップでした。
現代美術家の高木久美さんがネガティブハンドを指導し、能管の槻宅聡さんが能の笛の唱歌で呼吸を指導し、そして僕が甲骨文字と全体の流れを受け持ちました。
●最初に練習
ネガティブハンドについてちょっと話をし、そのあと洞窟壁画の写真を見ながら、気付いたことをいろいろ話してもらいました。・・が、このときはあまり意見は出ず。
で、次に外に出て練習。最初は水を使って地面に。口がスプレーのようにならなければできないので、はじめのころはうまくいかなかったのですが何度もやっているうちにこんな風にできるようになりました。
●笛の唱歌(しょうが)で呼吸の練習
ネガティブハンドを上手に行うコツはなんといっても呼吸のコントロール。今回はそのためにふたつのことを用意しました。
最初は能の笛を覚えるときにうたう唱歌(しょうが)。これはただうたうだけでなく、お腹の底から強い息を出しながらうたいます。最初は小さい声で、弱い息しか出なかった子供も槻宅先生のうまいのせ方で、大きな声で。
しかも、これがネガティブハンドの出来上がりに関係するとなると、そりゃあでかい声になるわな。
あ、そうそう、ブログを書こうとは思っていなかったので、今回の参加者に写真を載せていいかどうかの許可を得ず、いまここにいる子(の保護者の方)から許可をいただいた分だけを載せますね。
で、唱歌パートは許可を得られた子で写っている写真がないので、犬が唱歌を一緒に歌っているところを・・・。
●さあ、布に練習
本当のネガティブハンドは顔料などらしいのですが、今回は紅茶、コーヒー、ジュースで行いました。まずは机の上に(不要になった)シーツを敷いて、そこで何度も練習。
そして、次に縦にビローンと張った布に練習をしました。
もう、ここら辺になるとみんな超ワイルドになりました。顔も手もからだもぐちゃぐちゃ。たぶん、わざとぐちゃぐちゃになっている。
でも、できあがった作品はなかなか!
●ドリッピング
呼吸の稽古、第二段はドリッピング。
これは画用紙の上に絵具をたらし、それをストローを使って作品にしていくというもの。唱歌が強い呼吸の稽古だとすると、こちらは呼吸のコントロールの稽古です。
いろいろなドリッピングができあがった。
●甲骨文字
次は甲骨文字と金文。
ネガティブハンドから甲骨に至る時代の話をして、さまざまな漢字当てクイズなどをしたあと、自分の名前を甲骨文字や金文で書いてみる。今回はネガティブハンドの流れもあって指文字で挑戦。
指全部にいろいろな色をつけて、カラフルに描いている子もいる。
こちらは全然そういうつもりはなかったし、そんなインストラクションもなかったのに、いつの間にかみんなアートにしちゃっている。怖るべき子供たち。
●さあ、清書
最後に清書です。
甲骨文字とドリッピングとネガティブハンドは、あとでまとめて製本(和綴)するので、清書のネガティブハンドです。和紙に息をブシッとします。
●あ、蝶が・・
清書も終わって、ふと見ると、つるした布のネガティブハンドに蝶がとまっていた。そうか、ジュースだもんね。
●最後にまた・・
最初に見せた写真を、最後にまたみんなで見ました。
今度はすごい。いろいろな意見やら疑問点やらたくさん出てきて、終わらせるのが大変。本当にすごい勢いで出てくるのです。
予定時間を15分も過ぎて、やっと終了。
ひとりの子が最後にとても暗くなり、ぼそっと「帰りたくない」とひとこと。
だよね。