2009年08月

登大路セミナー

またまたご無沙汰をしてしましました。

一昨日は伊豆の国市で、そして昨日は小金井で薪能でした。

しかし、この8月は舞台よりも、ワークショップやらセミナーをたくさんさせていただきました。

前回、山のシューレのことを書きましたが、今回は奈良の登大路セミナーについてです。



このセミナーは松岡正剛さんよりの依頼でゲスト(講師)として参加しました。

松岡正剛さんがモデレーターで、ゲストは寺島実郎さん(日本総合研究所会長)と福原義春さん(資生堂名誉会長)と、僕です。このメンバーに僕が入るというのは、いつもながら松岡さんは不思議な人選をされます。

で、ゲストはこんなメンバーなのに参加者は16人という超ぜいたくセミナーです。

荒井奈良県知事の挨拶から始まりましたが、荒井さんって本当に面白そうな方です。

また、福原さんとはセミナーの時間以外にもお食事や、その他の時間でもお話をさせていただく機会があり、とても素敵な方でした。寺島さんとはゆっくりお話する時間がなく、残念。

また、参加者の方もみなさんすばらしい方がたでした。

すでに松岡さんのブログ、セイゴオチャンネルで「登大路セミナーで日本と東アジアを考える」として紹介されているのですが、僕の顔がとても面白く映っていて、その下に書かれていることが読めないくらいにおかしい顔です。

で、ここでセイゴオチャンネルで僕の顔の下に書かれている文章を転載してきます。

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二日目の朝は安田登さんが能と身体と「心」をテーマにレクチャー。
『論語』の世界観を甲骨文字に立ち戻って読むとともに、
「心」の発生を身体論や呼吸論と合わせて独自に解き明かした。
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・・と、とてもすごそうなことが書いているのですが、あの顔を見ると、この文章が目に入りません。絵は文章を凌駕する!

で、そのセイゴオチャンネルです。

ここです--->

ちなみに、これは「呼(コ)」の呼吸の説明のために大きな声を出しているときの顔です。



セミナーでは、ブログや寺子屋で話していることを実演を交えながらお話させていただいたので、ここで改めて書いても仕方ないので書きませんが、去年辺りから考えてきた『論語』が、ようやく自分の中でも定着してきた感じです。

10月には日本マーケティング協会主催のセミナーでお話をさせていただくのですが、ここでも「能の永続性」というテーマで、能と『論語』の世界を関連づけてお話をさせていただこうと思っています。

ちなみにこれは丸の内ブランドフォーラムの片平秀貴さんからのご紹介です。片平秀貴さんには『世阿弥に学ぶ100年ブランドの本質』という著書があります。

確かに能がこんなにも長い間、存続しているということ、しかも国から保護されているわけでもなく、ちゃんと興行として存続しているということは不思議です。六百年以上も続いている企業なわけですから・・・。

能の永続性の話は、このセミナーが終わったら書きますね。

次回こそ、そんなに間を空けずに書くぞ!

本で圧死

先日の地震で死者が出たというニュースをやっていました。

それも大量の本による圧死だそうです。

思い出すのは中島敦の『文字禍』です。

読まれていない方は「青空文庫」→作家:中島敦→『文字禍』で読めます。短編ですので、どうぞ!

でも、そんなことより危ないのは自分の部屋だ。書斎や写経部屋だけでなく、リビングの両方の壁を埋め尽くしていた書棚は、とうとう寝室にまで侵入してきてしまっている。

ベッドに横になって書棚を眺めると、このごろ全く開いてもいない書物群の背が、僕を圧死させてやろうと虎視眈々と狙っているようで怖くなります。

皆さんもお気をつけあれ!

那須三昧

7月30日から8月3日まで那須のアートビオトープで山のシューレが開かれました。

日本の文化・芸術の発信基地にしようという昨年から始まったテンポラリーの山の学校です。安田も初日から最終日まで、ほとんど毎日、何かで参加しました。最終日にもシンポジウムがあったので宿泊をし、結局は5泊6日という那須三昧で、まだちょっと都会には戻りきれておりません。

那須は、「とても涼しい」というわけではないのですが、しかし都会のこのイヤな暑さはありません。カラッとしていてとても気持ちいい暑さなのです。

朝は二時間近くかけて朝食をいただき、11時くらいからワークショップが始まり、お昼は冗談じゃなくおいしい屋台で鮎の塩焼きや特別製のお蕎麦や新鮮な野菜などをワイルドにいただき、また午後のワークショップ。

夜は竹村真一さん(後述)のご家族とさまざまなお話をしながらのディナーに時間をかけたり、怪談をして、せっかく昼間に仲良くなった子どもたちから怖がられたりして、これまた充実した時間をすごしました。

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山のシューレに関しては初日に参加の茂木健一郎さんのブログにも書かれています。

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2009/07/index.html

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8月1日は、前にメルマガでもお知らせした大人のワークショップを七石舞台で行いました。ゲリラ寺子屋で会場をお借りしているカプラン・ジャパンの代表の石渡さんがブログで書かれています。

寺子屋に参加されている方は、後姿から誰が誰かわかるかも・・。

http://www.kaplan.ac.jp/ishiwata_blog/2009/08/3000.html

そうそう。石渡さんは100日連続ブログをしておられます。見習わなければ・・。

また詩人の吉田加南子さんもワークショップに参加してくださり、さらにはスペシャルでこのワークショップのために詩を書いてくださいました。すごいスペシャルです。

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ディナーをご一緒した竹村真一さんは文化人類学者ですが、ハワイ島の皆既日食のときにご一緒しました。そのとき九ヶ月だった赤ちゃんがもう19歳!です。ディナーをいただきながら竹村さんと私とがしている話を、頻繁にメモを取りながらするどい質問を投げかけてきます。すごい19歳です。

竹村さんは「さわれる地球」でセミナーをされました。大きな地球儀です。大人にとってすごい地球ですが、子どもたちは勝手に新しい遊びを発見して、放っておくと一日中遊んでいます。地球の1000万分の1(直径1.28m)ですから、月までの距離とか太陽の大きさとかスペースシャトルがどのくらいの高さを飛んでいるとか、そんなことがすごくイメージしやすいのです。

石渡さんのブログにやはり詳しく書かれています。

http://www.kaplan.ac.jp/ishiwata_blog/2009/07/post-93.html

以下は「さわれる地球」のプロジェクトページです。

http://www.elp.or.jp/project/tangible.html

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山のシューレの5日間は、ふだんの自分の視野がいかに偏狭だったかということを思い知り、それを思いっきりストレッチされた5日間でした。「こんなに広がっちゃって大丈夫かな」と思うほど広がったのですが、しかし山から下りてみると、それによって世界の見え方が少し変わったのを感じます。

それと何よりすばらしかったのは、会う方、会う方がみなさん素敵な方たちだったということです。講師の方々も、受講生の方々も、そしてスタッフの方々も・・。

こんな素敵な方たちといっしょに数日を過ごすと、心が洗われます。

こんな機会を与えていただいた山のシューレの主催者の石渡美優さん、同キュレーターの新見隆さん、そして二期倶楽部の北山ひとみさん、セミナーに参加して下さった方々、そのほか多くの皆様に大感謝です。
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