2009年05月

予告:動いて覚える機能解剖学

今日は《ゲリラ寺子屋》で『易経』はじめの一歩の講座をしました。

最初5名以下の予定が、17名の方がお集まりいただきました。本当にありがとうございます。こんな急な話なのに・・・。

でも、次回こそ5名限定の講座をしましょう!

●予告

さて、今日終わってからロルファーになった楠美奈生さんと、あと数人で食事をしたのですが、そこで「実際にお互いに体に触れながら覚える機能解剖学の講座をしてほしい」という話になりました。

なるほど、それは面白そうだ、という話になり、その場で話がつまっていきました。

ロルフィングの7セッションに対応して7回とあとロルフィングではあまり扱わない腕を含めた全8回の講座にしようという話になりました。

筋肉用語は基本的には英語で覚えていただきます。英語が苦手な人も大丈夫。楠美さんが作った「筋肉用語を覚えるための体操」もいっしょに行います。

一回の時間は3時間の予定です。

3時間×8回・・です。

で、肌の露出も多い方がいいので、女性は「男性に見られたり、触れられたりするのは恥ずかしい人」という人もいるかも、ということで・・

・女性限定版
・男女混合版

・・の両方を企画することになりました。

楠美さんがメイン・インストラクターで行い、安田はアシスタント兼ちょっかい出し役で入ります。

日程が決まり次第、ここで公開します。

ご興味のある方は事前にご連絡をいただければ、優先的にお知らせを流します。会場の関係で定員は10名以下になる予定です。

よろしくお願いいたします。

《甲骨文》虎の穴1−2(D)人牲と犬牲

さあ、前回まででかなりの文字の解読が進みました。今まで解読できたところを今の漢字に直して並べてみましょう。

あ、ちなみに慣れてきたら「今の漢字に直す」ということはしない方がいいです。そのままで見た方がイメージが沸きます。でも、最初のころは今の漢字に直すことも必要です。

jinsei02jinsei03


いかがですか。

「漢字には直ったけど、なに書いてあるのか全然わかんない」

・・ですよね。実はこれは読み方が逆なのです。

普通縦書きは右から左へ読みますが、甲骨文では両用あります。右から左へ読むこともあるし、左から右に読むこともある。

で、この文章は左から右に読みます。

最初は慣れないので左右を逆に書き直してみます。

jinsei04

さらに意味のまとまりにしてみましょう。何が書いてあるかちょっと見えてきましたか。

jinsei05

わからない?

でもご心配ご無用。

実はこの文章でもっとも大切なふたつの漢字の解読ができていないので、わからないのは当たり前なのです。

●ちなみに・・・

一応、ここまでわかったところで意味を見てみると・・

「壬辰」の日に占った(正しくは「卜」した)。

四方に三人の羌族と九匹の犬を<?>と<?>していいだろうか?

という感じになります。

じゃあ、<?>これは何か?

これから出かけるので、それはまた後で・・・。

《甲骨文》虎の穴1−2(C)人牲と犬牲

前回は数字とそれに付属する文字を見てみました。

「四方」と「九匹の犬」、そして「三人の羌族」でした。羌族は生贄にされる人々だし、どうも犬もそれっぽさそう。それに題名も「人牲と犬牲」だから、なんとなく血の臭いもしてきます。

さ、その話はもう少し先にして・・。

では、このほかにわかりそうな字はありますか。

もとの甲骨文はここにあります

《虎の穴》のときに多くの人が「わかる!」と言ったのは以下の各文字でした。

●ひとつめ

まず、これ!

0211mata

これが「わかる!」というのは寺子屋でやっているからかな。

これは右手を表す漢字です。これだけですと、漢字に直すと「又」。鳥(隹)を捕まえるという漢字で「獲」を寺子屋でしました。この漢字の右下に「又」があるでしょ。

ここでは「又(and)」という意味で使っています。

●ふたつめ

この字は「確かにそうなんだけど、ちょっと不正解」というのが多かった。

0206at

みなさんの答えは「干(ほす)」か「千」が多かったのですが、正解は「于」。

「于」←「こんなの知らないよ」という方も多いと思います。「to」とか「at」とか、そんな場所を表す前置詞です。

今の「於」です(って、今はあまり使わないか)が、「於」という字が使われるのは秦代以降で、それまでは「于」が使われていました。

●みっつめ

「これはすぐにわかるんじゃないか」と思ったのですが、割合に難しかったのはこれです。

0202boku

考えてみれば、これも今の漢字にはありませんね。

正解は「卜(ボク)」です。この字は向きが反対になっています。これならいかが?

0202bokugyaku

下に「口」がつけば「占(うらない)」です。

骨や甲羅のひび割れた形です。その形で吉凶を占うので「卜」=「占」です。

「卜(ボク)」の音はひび割れるときの「ボクッ!」という音から来ています。なんかカワイイなあ。

************

●ついでに・・

以下はわかりやすい漢字ではないのですが、やってしまいましょう。

最初はこれです。

0203sore

いかがですか。

もうここら辺だと漢文や古文が好きでないと、今の漢字を出されてもよくわからないと思います。

今の漢字に直すと「其」。「其(そ)れ」と読みます。

強意の疑問の助辞です。これがつくと疑問になります。が、ただの強意の時もあります。

字形としては「竹」が上についた漢字、「箕(み)」の象形です。

「箕(み)」っていってもわからないよね。《虎の穴》では「サンカ」の話などもしました。

仮借使用です(って何言ってるかわからい人は今は気にせずに!)。

●ついでにもうひとつ

この二つは干支(えと=カンシ)です。

0201jinshin

「壬・辰」

殷代には日付を干支であらわしました。

が、当分は干支に関しては詳しく扱いません。「ああ、《壬・辰》の日ね」ていどで読み飛ばしておいてください(後日、詳しくお話します)。

というわけで、これでかなり解読が進みました。

続きは次回・・。

《甲骨文》虎の穴1−2(B)人牲と犬牲

●数字の「九」

数字の「九」を見つけることができたでしょうか。正解はこれです。

0212nine

これがわかった人に、「なぜわかったんですか」と聞いたところ、「こうして横にして見た」といいます。

なるほど!本当に頭、柔らかい!

0212nine_yoko

これは腕を「キュウ」っと曲げた形です。

02nine_kin金文の九は、この腕を曲げた形をよくあらわしていますし、いまの「九」にも似ていますね。

青銅器に鋳込まれた金文は、最初は粘土に彫るので曲線も作れますが、甲骨は硬い骨にガリガリ刻むので、キュウって感じにはなりません。許してあげてください。

ちなみに「究=窮」の中にその元の意味が残っていますね(「究」の中の「九」わかりますか)。

あるいはこれは「龍蛇の形」だという説もあります。

●数字についている字(1)四についている字

では、数字についている字も、数字といっしょに見てみましょう。

一番簡単なのは、これかな。わかりますか。

0208bshihou

下の字は、どこかで見たことがあるでしょうか。周りにあるでっぱりを取ってしまうとわかるかも。

0208hou  →  0208hou02

そうです。

これは「方」の字です。

甲骨文では「方角」という意味で使われるときと「国」という意味で使われるときがあります。

漢字の形としては、横にわたした木に、人(02hito)を架した形だといわれています。

これを国と国との間において境界の呪禁とするので、「外方」・「辺境」の意となるとするのは白川静氏です。

あるいは首に枷をつけて奴隷や生贄を「方(なら)べる」という説もあります。あるいは両端に張り出した柄がついたスキの形という説もあります。

漢字の語源というのは、いろいろありますね。

というわけで「四」がつくと「四方」ですね。

●数字についている字(2)九についている字

次は九についている字です。

0213inu

さあ、わかりますか。

これはわかった人が多かったなぁ。

横にするとわかりやすい。これです。

0213inu_yoko

そうです。「犬」です。「狼!」とかいう意見もありますが、それでもいいでしょう。

というわけで「九犬」、九匹の犬です。

●数字についている字(3)三についている字

三についている漢字は今の漢字にはありません。

0210kyou

これは「人(上記参照)」の上に「羊」の頭が乗っています。

「羌」(きょう)という漢字です。異民族の名前です。

現在も中国にいて、後のチベット民族か?といわれています。先日の四川大地震でも、もっとも大きな被害を蒙った民族のひとつです。

羊の頭に人の身体というのは、またまた『羊をめぐる冒険』の羊男みたいですね。

●人狩り

羌族の人たちは、殷の時代にはよく生贄として捧げられましたた。人狩の対象にもなっています。『猿の惑星』とか『アポカリプト』の映画で、人狩が行われていたのを思い出します。

「異民族」という言い方もひどいですね。

02kyou02ちなみにこの字は普通はこのように書かれます。となると、ここで使われている字(↑)には首枷すらついているということです。すでに人狩をされて捕まった後ということですね。

ちなみに、殷を滅ぼした周の始祖は「姜源(きょうげん)」といいます。

『羌族詞典(羌族の辞典)』によると、「姜」族は羌族から初期のころに分派した民族だとあります。同じ一族ですね。

ひょっとしたら3,000年以上も前の人には「心」というものがなかったかも知れないという話を前に書きました。

人狩にあっていた羌族の人たちも、むろんそれはそれでイヤだったけれども、「心」がない状態(すなわち未来への志向がない状態)では、だからといって復讐しようなんて思わなかったかも知れない。

でも、その中に「心」が芽生えてきた人たちが生まれ、長い期間をかけて復讐を遂げたのが「殷周革命」なのかも知れませんね。

ちなみに宮城谷昌光氏の小説『太公望(上・中・下)』は、羌族の太公望の物語です。面白いですよ。

《ゲリラ寺子屋》業務連絡

メルマガに登録されていらっしゃる方への連絡です。

予定しております《ゲリラ寺子屋『易経』》ですが、お昼ごろにメールをしたら、三時くらいには定員に達してしまい、「これはしまった!」と思っていたところ、いつもの東江寺さんをお借りすることができましたので、定員も増やすことができました。

ご希望の方はどうぞ!

ただ、あまり増えない方がいいと思いますので、これはメールでは流さないことにします。

よろしくお願いいたします。

 安田登
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