2008年06月

声が出ない病が流行

ブラジルとはいえ、今は冬。昨日までのサンパウロは寒いくらいでした。

が、ここベロ・オリゾンテはサンパウロから飛行機で一時間弱なのに地域としては熱帯。とても暖か。だからか風邪っぽい症状が流行っています。

特に声が出なくなった人が二人いて、これは大変(でもひとりはコーディネーターの人だからまだよかった)。

ワキはひとりなので声が出なくなったら目も当てられないので、外から帰ったらウガイをしています。東京にいるときよりも健康的な生活です。

南米はカトリック教会がたくさんあります。通りの名前や街の名前も「サン(聖)どうのこうの」というのが多い。これはスペイン人やポルトガル人に占領、改宗されたからなのですが、しかしそれはただ「侵略」という近代的な用語で説明できるものではないでしょう。

むろん、無理やり改宗させられた人もいたのは確かでしょうが、キリスト教と一体だった近代軍隊や政治システムの持っていた「力」に対する畏敬からキリスト教に帰依した人も少なくはなかったのではないかと思うのです。聖なる力です。

そう考えたとき、あんなに迫害していたローマをはじめヨーロッパ諸国がキリスト教を受け入れ、それどころかむしろそれを表面に出した理由、そしてそれによって世界征服ができた理由なんていうのがちょっと見えてきそうな気もしますが、それはともかくやっぱりブラジルのキリスト教はヨーロッパのそれとはちょっと違う。

ブラジルのキリスト教は日本の仏教と同じく本地垂迹があって、キリスト教ともともとあった原始宗教とが合体しています。たとえばマリア像なのに、その台座にキューピットみたいな顔(だけ!)がいっぱい並んでいるというとっても怪しい像があったりします。

南米音楽も表面的にはコードがあって、主音と属音があって・・と西洋音楽理論にのっとって作られていますが、しかしやはりとっても南米。

いま「現れ」としてそこにあるものから西洋的なものを差し引くと(あるいは透明な上澄みを掬ってしまうと)、そこにとっても原始的なものを見ることができるのは思想や宗教も、そして音楽や美術も似ていますね。

公演二日目

昨夜は二度目の公演でした。先日の会場の夜の姿です。

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外国で能をやってもお客来るの?とよく聞かれます。国によっても違うのですが、昨日の公演は盛況で、キャンセル待ちもあり、結局入れなかった人もいたようです。

演目ですが能は『羽衣』、狂言は『梟山伏』、それに舞囃子と居囃子があります。

特に『梟山伏』は大ウケです。梟が憑くところなどがウケるのは日本と同じですが、しかし「それ山伏といっぱ〜」といって「山伏なり」というところなど、日本ではそんなにウケないのですが、ここでもみんな大爆笑しています。字幕っていうのもいいのかも知れません。

公演は毎日21時から始まり、ホテルに着くと大体0時。昨夜はそれから2時間ほどパーティがあり、しかも今日は朝5時45分にホテルを出発して空港へ。ほとんど寝ていません。

約1時間の飛行機の旅を経て、ベロ・オリゾンテ(Beautiful Horizonの意)という街に着きました。今日は何もなし。でも、日曜日なのでほとんど開いてません。

サンパウロの美術館

昨日は舞台初日。夜9時からの公演なので、その前にサンパウロ美術館に行った。

美術は詳しくはないのだが、Candido Portinariという画家をはじめて知った。とてもよかった。特に聖フランシスの肖像がすごい。

本物じゃないとこの感動は伝わらないが、彼が描いた肖像がいくつか並べられていたが、それまでの肖像(1930年代)とこの肖像(1940年代)は、まるっきり違う画風に変わっている。この10年に何があったんだろうと思っていたら、その時代の彼のほかの絵もたくさんあった。

それらがすごい。悲しみが洪水のようにあふれている。サンパウロ美術館のホームページにはあまり載っていないのが残念。一瞬、ピカソのまね?と思ってしまうけれども、やはり違う。今回はあまり時間がない。今度、またゆっくり来たい。

街を歩いていたら、どこにでもある壁の落書きがあった。トタンに塗られたペンキに釘のようなものでガリガリやったものだ。面白かったので写真に撮った。いっぱい撮ったけれど、重くなるとみなさんに迷惑なのでひとつだけ・・。

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サンパウロの劇場

リハーサルをしました。

すごく素敵な劇場です。イビラプエラ会場という名前だそうです。本当かな。明日ちゃんとチェックをします。

入り口および外観はこんな感じです。
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横から見ると三角形。
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お客さんの入り口から中に入るとこんな感じになります。
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客席はこんなんです。
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ドバイ空港のお店

今日はこれからリハーサルです。

能では申し合わせといって一度ざっと通すことはあっても、リハーサルというものはありません。今回はテレビ取材も兼ねるもので、リハーサルというよりもデモンストレーションです。

さて、話は昨日のことに戻ります。

昨日のは飛行機の中で書いたので、固い文体でした・・。

dubaiで、ドバイの空港は朝5時すぎに着いたのですが、お店もかなりやっていました。砂漠の国は降りたことがないのですが、さすがドバイでアラビアンナイトっぽいものがたくさん売ってました。

ときどきアラビアンナイトの語りもするので小道具用に燭台を四つ買って行こうかなどとは思うのですが、こういうのって帰国してから後悔するんだよな。どっちみに行きに買うことはないので、ゆっくり考えよう。
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