メルマガ2015 2月

こんにちは。能の安田です。

今回のお知らせは「どうしようかな〜」と悩みました。

今度の寺子屋(19日<木>)は、信州(長野県)伊那谷から、人形遣いの百鬼ゆめひなさんを迎えての人形寺子屋です。

百鬼ゆめひなさんの噂を聞き、その舞台を拝見するために、僕はわざわざ京都の石清水八幡宮まで行きました。それでも伊那谷に行くよりはずっと近いんです。しかし、予約をしたときには250人の席はすでに満席間近。やっと取れた席からはほとんど見ることができませんでした。

そんな百鬼ゆめひなさんをぜひ皆さんにもご覧いただきたいのですが、演出の都合上、舞台脇の畳を使うことができないので、いつもよりも席が少なくなるのです。

たくさんの人にご覧いただきたい。でも、多すぎると入らない…というわけで、前回のお知らせでもひっそりと書きました。

もうこうなったら入場料をいただいてハードルを上げようかな、とも思ったのですが、それでは寺子屋の趣旨に反するしね。

そんなわけで、とっても寒い可能性があるのですが後ろのふすまを開けっ放しにして、後ろの人は立ち見という形にしたいと思います。ごめんなさいね。たぶん、かなり寒いです。

こんな感じになります。

*********
前の方:いつものように座る
ちょっと後ろの方:椅子
それより外に出る方:立ち見
それでも入りきれなかったら:適当にお願いします
*********

また、百鬼ゆめひなさんによる上演は30分の予定です。休憩後に安田たち(出演者未定)による『夢十夜』一夜、三夜を上演します。これは、これから百鬼ゆめひなさんと共演をする予定ですので、百鬼ゆめひなさんに僕たちの語りをご覧いただこうと思ってのことです。「もう第三夜は見飽きた」なんていわずにお付き合いください。

この時は、前も使えるようになるので、ふすまも閉め、ちょっと暖かくなる予定です。

※いつもの通り早いもの順です。でも、準備の都合上、今回は6時30分前には開場ができません。

※ちょっと風邪気味かなぁという方はやめておいた方がいいです。本当に寒いです。

※今回はお経はありません。15分ほどお話をしてから始めますが、引き戸を開く音などがしますので、遅刻される方は(本当に申し訳ございませんが)、百鬼ゆめひなさんの公演への途中入場はご遠慮ください。

※8時ごろに一度休憩があります。そこから先はお入りいただけます。

【寺子屋】19時〜
 会場:東江寺(東京都渋谷区広尾)★受講料はお賽銭です。


・2月19日(木)「百鬼ゆめひな 人形の世界」

人形師、百鬼ゆめひなさんをお迎えして、人形と人とが生み出す幻想世界をご堪能いただきます。

百鬼ゆめひなさんのサイト→http://www.yumehina.net/

百鬼ゆめひなさんには、今年上演する予定の『イナンナの冥界下り』と『海神別荘』にもご出演いただきます。

今回は『ゆめひな神楽〜風〜』を上演していただきます。

★寺子屋は飛び入りも歓迎ですが、参加がお決まりの方は info@watowa.net へお願いします。

※なお寺子屋に関しての東江寺さんへのお問い合わせはご遠慮ください。

【能やイベントなど】

●天籟能 6月27日(土)

今年も天籟能を開催いたします。能管の槻宅聡さん、狂言師の奥津健太郎さん、そして安田の三人が主催する能です。

今年の演目は能『藤戸』と狂言『浦嶋』。詳細は追ってご連絡しますが、能『藤戸』と狂言『浦嶋』とを楽しむための寺子屋も行う予定です。まずは【6月27日(土)】をどーんと空けておいてください。

●山のシューレ 6月6日(金)から8日(月)

毎年恒例の「山のシューレ」@二期倶楽部(那須)。今年も行われます。

開き舞台ではシュメール語と日本語による作品『イナンナの冥界下り』を上演します。この演目のための講座を開催の予定。日程の調整中です。こちらもぜひ!

山のシューレ(去年までのものを見ることができます)
http://www.schuleimberg.com/

●最新情報はツイッターからお願いします
http://twitter.com/eutonie(安田登)
http://twilog.org/eutonie(安田の書いた分だけ読めます)

※このメールは、以前のメーリングリスト(以下ML)にご登録いただいた方と天籟能の本番、ワークショップにお出ましいただいた方に送らせていただいております。以降、このメールが不要な場合はお知らせいただければと存じます。

以前のMLは、ある事情により停止しており、寺子屋等のお知らせはTwitterのみでしたが、Twitterだけだと見逃してしまうというご意見をいただき再開いたしました。

 安田登拝

メルマガ2014 6月28日(土)

こんにちは。能の安田です。

▼見えないものを見る力

日本には、なぜ「語り芸」が多いのか。

…なんてことを、このごろ浪曲の玉川奈々福さんといろいろ話しています。

世界にも「語り芸」はないことはないのですが、しかし日本ほど質量ともに充実して
いる国はありません。

それは、日本人は「見えないものを見る」能力に優れた「民族」であるということも、
その一因なのではないでしょうか。

算盤の暗算を習ったことのある子どもならば、空中に幻の算盤を出現させ、その幻の
算盤を使って高度な計算をしてしまう。そんなことをやすやすとする子どもたちの姿
を外国人が見たら、もうニンジャどころの話ではありません。超能力者です。

…とはいえ僕は、それが「遺伝的」な日本民族というものに由来するものであるとは
思っていません。日本という「風土」や、日本の「暮らし」の中に、そのような能力
を育む種がさまざま蒔かれているからだと思うのです。

ですから、そのような風土や暮らしが急速になくなろうとする現代、日本人のそのよ
うな能力も急激に衰退してしまうのではないかという危惧もあります。

▼風景に感情を見る

僕たち日本人の特殊能力は、見えないものを見る、だけではありません。風景に感情
を見るという力もあります。


「情緒」という言葉があります。

日本人は、風景の中に「感情」の「緒(糸口)」を見つけることができます。たとえ
ば唱歌『朧月夜』などは、そこには一切の感情表現がないにも関わらず、風景から感
情が湧き出してきます(特に二番、すごいです)。

http://bit.ly/1hFg2b9

このような感情表現を一切使わない詩歌というのも世界では稀です。しかし、日本で
は、俳句や短歌の多くが、感情表現を意識的に排除します。ただ「情緒(感情が出て
くる糸口)」としての風景をそこに提示することだけによって、各人に沸きあがって
くる感情にあとはゆだねる。それが日本の詩歌です。

▼そして道行

「情緒(感情が出てくる糸口)」としての風景や自然、これを圧縮したのが「枕詞」
であり、それが土地と結びついたものが「歌枕」です。

その「歌枕」を謡い継いで行きながら旅をする。そのような謡いものの形式を「道行
(みちゆき)」といいます。

結婚式などでかつてはよく謡われた能『高砂』の「高砂や〜」は「高砂」→「淡路」
→「鳴尾」と謡い継ぎつつ「住吉」までの旅をします。浄瑠璃には心中の道行があり、
浪曲にも「旅行けば〜」などに代表されるさまざまな道行があります。

この「道行」も日本の「語り芸」の特徴のひとつです。このことについては、今度ゆ
っくり書きますね。

▼「のう、じょぎ、ろう」

さて、こんな語り芸をいろいろな角度から眺めていこうと、玉川奈々福さんと考えて
いるのですが、その第一回目の企画として編まれたのが7月3日(木)の「のう、じ
ょぎ、ろう」の公演です。

これは日本の語り芸の代表である「能」、「義太夫(女義太夫)」、「浪曲」の演者
が一堂に会し、その語りをまとめて聴いていただこうという会です。中世(室町時代)
の「能」、近世(江戸時代)の「義太夫」、そして近代(明治時代)の「浪曲」と語
り芸の変遷も知ることができます。

芸を披露したあとには座談会もします。

このような催しは時々ありますが、演者自らが企画・主催するものはまれです。

ぜひ、ご参加を〜!

※なお、ミシマ社さんの「みんなのミシマガジン」でも「語り芸」についての連載を
始める予定です。お楽しみに。

あ、寺子屋もお忘れなく!今度の月曜日(って明後日)です。

●寺子屋
6月30日(月)
19:00〜
【会場】東江寺(東京都渋谷区広尾)★受講料はお賽銭です。

この回は、通常の寺子屋をします。

『論語』などを読みながら、わいわいとお話をしたり、話し合いをしていただいたり
…そんな寺子屋です。今回は、いつも途中で終わってしまっている…

「リニアな文章と論理が生まれた日」

…について、金文の『大盂鼎』を読みながらやっていこうと思っています。

あ、ちなみにこれ、前回の甲骨文の講座でもお話をしましたので、それに出ていた方
は、もう一度、聞いていただく形になります。ちょっと違う資料も用意しますが、ど
うぞご寛恕を。

飛び入りも歓迎ですが、参加がお決まりの方は info@watowa.net へお願いします。

どうぞお出ましください。

※なお寺子屋に関しての東江寺さんへのお問い合わせはご遠慮ください。

●のう、じょぎ、ろう!7月3日(木)@木馬亭19:00〜
木戸銭:予約3000円 当日3500円 tamamiho55@yahoo.co.jp

どうも私たち日本人は見えないものを見る力に優れているのではないか、なんて話を
寺子屋でもよくしています。

神が見えた祖先たち。現代でも空中に算盤を出現させて暗算する子どもたち。そして
共感覚に溢れる和歌。

それが日本に語り芸がやけに多い理由かもなんて、このごろ玉川奈々福さんとよく話
をしていて、これからそんな語り芸の秘密を探っていこうなどと思っています。

そして、その企画の第一弾がこの「のう、じょぎ、ろう」なのです。日本の語り芸の
中から「能」「女義太夫」「浪曲」の語りを一挙に聴いてみようという会です。

ひとつ30分くらいずつ語り、終わってから語り芸についてわいわいとお話をする座談
もあります。

御予約は玉川奈々福さんへ:tamamiho55@yahoo.co.jp
詳細も奈々福さんのぺーじへ。
http://tamamiho55.seesaa.net/

出演:能 安田登+槻宅聡「隅田川」(語り)夏目漱石「夢十夜(第三夜)」
   女義太夫 竹本越孝+鶴澤寛也「伽羅先代萩 政岡忠義の段」
   浪曲 玉川奈々福+沢村豊子「寛永三馬術」より「大井川乗り切り」
   座談会「のう、じょぎ、ろう!の心意気」

●最新情報はツイッターからお願いします
http://twitter.com/eutonie(安田登)
http://twilog.org/eutonie(安田の書いた分だけ読めます)

※このメールは、以前のメーリングリスト(以下ML)にご登録いただいた方と天籟能
の本番、ワークショップにお出ましいただいた方に送らせていただいております。以
降、このメールが不要な場合はお知らせいただければと存じます。

以前のMLは、ある事情により停止しており、寺子屋等のお知らせはTwitterのみでし
たが、Twitterだけだと見逃してしまうというご意見をいただき再開いたしました。

 安田登拝

おおらかな身体:マンガ版

益田ミリさんの『みちこさん英語をやりなおす(ミシマ社)』を読んで、8コマ×「X」で考えるのって面白そうだと思って、「8コマ思考(って勝手になづけました)」にトライ!すると、なかなかいい。4コマだとウケと狙うことになりますが、8コマだと考えがまとまるし、話が飛びすぎているところが見えてきます

で、ついでなので、いま書いている本をマンガにしてみようと、冒頭部分だけをちょっと描いてみました。お見せするほどのものでもないのですが、せっかく描いたので…。

問題は僕に絵心がないこと。小中学校で図画とか美術とか「2」しかもらったことがなかった…。ですから、デッサンはめちゃくちゃですし、手足はただの棒です。スミマセン…。また漫画家の先生方が使うようなツールは持っていないので、万年筆で描きました。

ちなみに「続き」はありません。

※絵をクリックすると大きくなります(虫めがねが出ている間はさらに大きくなります)。
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2年ぶりのブログ

最後の記事が「2010年10月29日」ですから、あれから二年もブログを書いていなかったんですね〜。

Twitterに移行してからです。

これからたまに書くようにします。

能『船弁慶』を骨まで楽しむ:PDFをアップ

能『船弁慶』を骨まで楽しむワークショップ、たくさんの方のご来場、ありがとうございます。

第1回の様子と、第2回のテキストをホームページにアップしました。

PDFファイルです。どうぞご覧ください。

http://www.tenrai.or.jp/noh.html

能『船弁慶』を骨まで楽しむ(2)

昨日、10月19日は、能『船弁慶』を骨まで楽しむワークショップの第2回目でした。今回のテーマは、『船弁慶』のテキストを古典作品として読むという「古典の授業」です。

50名の方にご参加いただきました。でも、いつも通り、まったりと始まります。

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●能の構造:序破急

最初に世阿弥の『能作書』から、能の構造のお話。

能は、いくつかのブロックの組み合わせで作られています。このブロックは取り外しが割合簡単で、たとえば薪能が始まる瞬間に急に空模様が怪しくなったら、「じゃあ、あそこカットね」で、その部分だけゴソッと抜いて、あとは普通に・・ということも簡単です。すでに演技が始まっている舞台上で、そういう指示が来ても大丈夫なのです。

で、そんな構造は、すでに世阿弥のころから意識されていて、世阿弥はそれを「序破急」というアイディアで示しています。序破急のアイディア自体は雅楽から借りたものですが、能ではそれをちょっと違った形で使っています。

世阿弥が書いた、能を作るマニュアル『能作書』には、そこらへんのことがかなり具体的に書かれています・・なんて、話をしました。ここら辺の詳しいところは、今度時間があるときにまとめますね。

昨日のテキストの「構造」のページです(PDF)。

この序破急は、能一曲の構造を考える上に重要なだけでなく、たとえば一日の番組に構成を考える上でも大切ですし、あるいは一歩足を出すときとか、ここからあそこに行くときとか、声を出すときとか、すべてのことに「序破急」は意識されます。

また、このアイディアは能に限らず、たとえば講演や授業などでも役に立つのです・・なんて話もしました。これも今度・・。ああ、宿題だけがたまる。

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●ヒアリング

次は前回に引き続き、ヒアリングの練習です。今回もまずは狂言師の奥津健太郎さんに、狂言のセリフを一節謡っていただきました。

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いま何といったか、それを小グループに分かれて、わいわいと話し合います。

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だんだん聴き取るのが楽になってきました。

●さあ、お勉強!

さて、次はテキストを使って『船弁慶』のお勉強です。

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今回は48ページのテキストを作りました。みなさんにお配りしたのはモノクロでしたが、元原稿はカラー版なのです。一部をご覧いただきますね。

こんなテキストです(最初の4ページのみ)。

本文の右側には「ちょっと難しいかな」と思われる語の釈、左側には修辞法、上欄には文学的な説明、下の欄には音楽的な説明が入っています。このテキスト、イラストから本文からDTPまで、すべてひとりでやったのですごく疲れた〜。でも、その肉体労働がいいのかもね。

カラーの方がモノクロよりも、特に右欄が見やすいのですが、カラーコピーにすると、すごい金額になってしまうので残念ながら・・・です。このテキストをご覧になりながら、一緒に朗読したり、あるいは僕たちの朗読を聞いたりするだけで、かなりの意味がわかっちゃいます。

ちなみに次回のワークショップでは、このテキストの配布はありません。昨日、いらっしゃれた方のみということで悪しからず。

さて、今回は古典の授業なので、テキストを見ながら一緒に音読したり、小グループごとに意味を考えてもらったり、僕が謡、みなさんが朗読で掛け合いをしたり、修辞法のお話をしたり・・・。

いろんなことをしました。

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●最後はみんなで謡う!

みなさんで『船弁慶』の最後の部分を謡って、昨日のワークショップはお開きとなりました。

この部分です↓

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膝をぽんぽん打っていただきながら謡いました。

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さ、次は11月11日です。

お待ちしてます。

間(あい)狂言アイコン

さらにアイコンを追加しました。

能『船弁慶』の間(あい)狂言のアイコンです。

『船弁慶』では、狂言の役は義経や弁慶を乗せる船の船頭です。静かな船旅が、急に波風が荒くなるさまを鼓(大鼓、小鼓)とともに表現をするという大切な役です。

実は狂言の人だけ、烏帽子などのかぶり物がないので「ふつうの頭もなあ」ということでチョンマゲにしました。あ、手に持っているのは船を漕ぐための竿です。

目は「あんみつ姫」とか、あの時代の漫画風にしてみました。

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平知盛を追加しました

能のアイコン、平知盛を追加しました。

これはもうちょっと調べなおして、作り直さなきゃな。でも、一応。

●後シテ(平知盛の亡霊)
tomomori

能のアイコン

先日のワークショップの内容、もうしばらくお待ちください。

今日はちょっと時間があったので、原稿を書きつつ、ちょっと飽きたときに能のアイコンを作ってみました。12月4日の能の登場人物たちです。

顔はみんな同じですが。

●静御前(前シテ)
onnna

●弁慶(ワキ)
benkei

●義経(子方)
yoshitune

後シテ、間狂言も作る予定です(が、次はいつ時間があるか)。ワキツレは義経と同装だから難しいかな。あ、義経、太刀をつけるの忘れた!

能『船弁慶』を骨まで楽しむ 第1回

昨日は、12月4日(土)の「天籟(てんらい)、能の会」のための第一回ワークショップでした。

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このワークショップは、せっかく能をご覧いただくんだから、なんとなく雰囲気で観るんじゃなくて、「猫またぎ」ってくらいに<骨まで楽しんでいただこう>という企画のワークショップです。あ、「猫またぎ」っていうのは、魚好きの猫もまたいで通っちゃうくらいに、魚を骨までしゃぶって食べちゃうということです。そのくらい能を堪能していただきたい。

で、12月4日(土)のチケットをご購入いただいた方は無料でご参加いただけますし、「その日は用事があって」という方も1回、1,000円でご参加いただけます。

<以下の写真では、参加者の方のお顔がわからないように画像は処理をしたり、小さくしたりしています>

◆◆◆◆◆◆

第一回目の昨日は、能と狂言についての基礎知識、そして当日の演目である能『船弁慶(ふなべんけい)』と狂言『井杭(いぐい)』のざっくりした解説、そして狂言と能の謡のヒアリングをしました。

詳しい内容は、昨日のワークショップのテープ起こしをお願いしています(NPO法人『天籟(てんらい)』のボランティアの方にです。ありがとうございます)ので、それができたらまた書くことにして、今回は昨日の流れを書いておきますね。

能・狂言の基礎知識は「能面」の話からです。

ワキ方である安田は能面を使うことはないのですが、昨日、いっしょに講師をした狂言師の奥津健太郎さんは面も打たれるので、奥津さんが打った面を中心にお見せしながら、さまざまなお話をしました。

まずはいろいろな女面。万媚(まんび)、増(ぞう)、小面(こおもて)を比べながらのお話です。別々に見ると、その違いがなかなかわからないのですが、並べて、そして近くでご覧いただくことによって、「本当に違う」と実感いただけました。

かなり近くで、細かなところまで見ていただきました。

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狂言の女面として「乙(おと)」。これは制作途中のものをご覧いただきながら、能の女面との違いを見ていただきました。

般若も実は女面。目や歯や角の「金」の意味も説明。

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そのほか、いろいろな能面、狂言面をご覧いただいたのですが、なかなかマニアックな質問も飛び出し、それをまたマニアックに答えて、あっという間に30分以上が経ってしまいました。

◆◆◆◆◆◆

次はヒアリング。

最初に狂言のヒアリング。当日の演目である『井杭(いぐい)』のセリフでヒアリングの練習です。

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奥津さんが一節を謡い、いま何と言ったかを近くの方たちと話し合っていただきます。

waiwai


「狂言は簡単かなあ」と思っていたのですが、これがなかなか難しい。まあ、用語の難しさと、それから慣用句が聞きなれないからですが・・。

「こんにった(今日は)」とか「みょうずる(見ようずる)」なんかが聞き取れるようになると、かなり聞けるようになります。

それから今度は安田が謡って能のヒアリング。

utai

能には散文(セリフ)の部分と韻文の部分があるのですが、今回はセリフ。なんと狂言よりも、こちらの方が聞き取れた。「弁慶」とか「判官」とか、用語が耳慣れたものだったからですが・・・。

◆◆◆◆◆◆

と、ここまでで気付けば1時間10分。10分休憩をしました。

休憩の間、能面を置いておき、自由にご覧いただきました。

yasumi

「触らないでね」とお願して。

◆◆◆◆◆◆

後半は「能と狂言の登場人物と流派」、「能と狂言の関係」、「五番能と翁」、「秦河勝の怖い話」、「祝言の能と御霊鎮魂の能」などを実演も交えながらお話しましたが、これに関してはテープ起こしが終わってから、まとめますね。

次回は10/19(火)19:00〜。東江寺(広尾)さんにて。

『船弁慶を読む―古典の授業』として、みなさんといっしょに朗読したり、謡を謡ったりしながら『船弁慶』を文学作品として読み解いていきます。

また、能の構造についてもお話します。

参加ご希望の方はnoh@tenrai.or.jpまでお願いします。

また、12月4日の公演、およびこれからのワークショップに関しては以下をご覧ください。

http://www.tenrai.or.jp/noh.html
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